はちみつ・lover
倉持くんはそれを聞いてすぐにピーンとき

たらしくすぐさま否定した。

「違う。ただ一緒に料理作ってただけだ。朝

からいきなり彼女が来たから、追い返すの

も可哀想で家に入れてあげたんだよ」

「っ・・・でも、帰った時もいたじゃな

い。あれは?」

「丁度いいから婚姻届の話をしてたんです

よ。証人になってくれって頭下げたらOKし

てくれたんで」


・・・嘘、でしょ?それがほんとだとした

ら全部は私の勘違い!?


彼が至って落ち着いているので、私は全てが

勘違いだったのだと気づいた。美人は呆れ

気味にタメ息をつく。

「バカね。彼はそんな事するような人間じ

ゃないわよ」

「・・・はい、ごめんなさい」

私は彼女に言われて気がついた。自分の方

が彼を傷つけていた事に。

「・・・日野」

「ん?」

「ごめん、一緒に住むってのはナシで」

「・・・はぁああぁあ~~~!?」
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