Lingerie
何で……何で俺の信念をお前が口にする?
自分の心を見透かされた様に、自分が仕事にかける思いをさらりと汲み取って語った彼女にあっさりと心を奪われたのだ。
特別着…か。
自分だけの。
誰しもがそう思って俺のデザインを身に纏って欲しい。
好きな色を形を選んで纏って。
でも、彼女に似合うのはどんな色だろうか?
どんなデザインがより彼女の無垢な魅力を引き出せる?
そんなチラリとよぎった疑問を解消するように、鉛筆を持った自分の手は白紙のスケッチブックにさらさらとイメージを描き上げる。
一枚では飽き足らず、二枚、三枚…。
デザインだけでは満足しない心がプライベートな時間に生地を選んでレースを選んで、たった一人の為のランジェリーを作りあげる。
生地を裁つ程、一針一針縫い進める程、レースで飾り付けていく程、自分の欲求が形を為す程不満足に陥って渇望する。
彼女が欲しい。
ミモリ ネネの為に作り上げたランジェリーを溢れさせながらそう思う俺は異常に見えるだろうか?