Lingerie~after story~



その前後も数回着信履歴があり、どんな急用かはともかく彼なりに慌てながらも私になんとか伝えようと必死であったことは理解できる。

出来る……けどもさ。

血吐きそう…。

この逃避したい程の心の滑落をどう助け上げていいのかわからない。

急用ならしかたないよね。

気にしないで。なんて言うのが大人良い女な気がするけれど…。

「呪い……効果抜群か……」

「はっ?ちょっと、何この世の終わりみたいな顔してるのよ?」

今度は何よ?と怪訝な表情で私に近づき携帯を覗きこんできたイズミに見やすい様に傾けた。

すぐに『あ〜らら、』なんて声の響きが追い打ちをかけてきて、どうしようもないとわかっているのに諦めの悪い子供みたいな感情が心を占めて堪らない。

うわ…なんか……泣きそ…

「仕方ないわね。勿体無いから全部私がもらい受けて付き合ってあげるわよ」

「………はっ?」

「あんたの予定してた時間よ。折角こんな磨きあげたのに家に帰って泣き終わりじゃ勿体無いじゃない」

言うや否や、スッと身を動かしたイズミが未だ呆ける私の頭をトントンと撫でてきた。


「エントランス集合」

「……はっ?」

「一回部署戻って帰り支度してくるから待ってなさいって言ってるのよ」

有無を言わさず。

いや、私が勝手に呆けて音を発せなかっただけだけども。

それでも、私の意思の介入なく予定を決めると、すぐに背を向けフィッティングルームから姿を消していくイズミの姿。


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