Lingerie~after story~
イズミのいつものおふざけ。
こうして抱きついてくる事さえいつも通りのコミュニケーションに過ぎなくて、性別は異性であっても関係性は頼れる親友かお姉ちゃんか。
あまりに自分にとっては当たり前の存在であり抱擁であり。
でも、そんな私とイズミにとっての当たり前が、対峙する彼にとっては当たり前でないという事を気づくことすら私は遅いらしい。
それまで驚愕で沈黙を守っていた九条くんが静かに弾いたようやくの声音は、
「合鍵を置いて出ていくか、俺に今すぐ去勢されるかどっちか選べ」
静かなる低い怒りに『ひぃぃぃぃぃ~~!!』と思わず心で大絶叫。
だって目が据わってる!
これ本気の選択肢でしょ!?
しかもその危険さ孕む双眸の矛先はイズミにだけでなく私にも向いているような気が……。
「っつーかな、ミモリさんに気安く触ってんじゃねえよ。ミモリさんも大人しく捕まってんじゃねえよ。熱湯ぶっかけて煮沸消毒してやろうか?あっ?」
「ぶ、ぶっかけるならせめて消毒液にして」
「あはははは、あら、消毒は拒絶しないのねあんた。つまりは消毒されても私と引っ付いてたいって意思表示かしら?」
「違うからっ!イズミ!?」
「もう、可愛い子なんだから~」
「っ!!」
本当、余計な意地悪発言をしないでほしい!
おふざけがしたいならかけるのは自分の命だけにして!?
私を巻き込むな!!と、血の気が引くのを感じながら一向に離れてくれないイズミを振り返った瞬間に『可愛い』なんて言って私のこめかみに押し当てられた唇。