Lingerie~after story~
あれ?私九条くんに抱きついてる。
ようやくそんな意識が追い付いた時には彼の腹部で交差していた手に水を使っていたらしい冷たい指先が触れて来ていて、絶妙な感触でなぞり撫でる様な刺激には変に熱のこもった息を吐きだしてしまっていた。
「本当……本能に突き動かされての寧々さんは手に負えない程誘惑的だね」
「………顔……洗ってきた」
「…………そういう誘い方って…狡い」
「っ……ごめ…」
「普通に『キスして』って言われるより欲情するじゃない」
「っ…んん___」
あっ……アイスティーの味。
飲みながら食事の準備をしていたのだろうか?
振り返る動きからすでに少々の余裕が削がれていたように思う。
その表情は余裕を見せる様な笑みであったのに、ちょっとした所作や空気は『早く』と急いたモノに感じたのだ。
我慢ならないと押し重なってきた唇は指先同様に冷たくて、同時に鼻孔を擽ったのは馴染みのある紅茶の香り、追って味。
自分の口内のミントとは相性良く絡んで鼻を抜けて、思わずもっともっとと貪欲さまで浮上。
……お互いに。
背中に冷蔵庫のモーターの振動と冷たさを感じるのに、体の芯からはどんどんと手に負えない熱が増していく。
ああ、これ……知ってる。
覚えた……。
……欲情だ。