Lingerie~after story~
Side九条
ああ、土砂降り。
集中を削ぐ様な外部からの響きに意識を移し立ち上がる。
身を置いていたソファからベランダに通じる窓に近づきカーテンをずらした。
曇天の夜空にスコールのカーテン。
街並みすらはっきりとさせない雨量にはなす術が無いと諦めた溜め息を吐き出した。
なす術はないけれど…、帰宅に支障がないといいな寧々さん。
そんな事を思いながら確認した時刻は21時を回っていて、遅くなればなる程いっそ今夜位は実家に泊まってきた方がいいのでは。と思ってしまう。
それでも、彼女からしたら実家に泊まるくらいであるなら雨に濡れた方が気が楽であるのだろうか?
厳しい家だとは彼女の口からチラホラ。
彼女が如何にその環境に圧制され育ったかは先程の電話の口調でよく分かった。
絶対的な存在なんだろうな。
それでも、萎縮はあれど認められたいと思う程に愛情もある。
嫌いではないからこそ厳しさに不満があっても逆らえないんだろう。
何にせよだ、とにかく今は被害なく雨をしのげていればいい。
そんな事を思いながら、一息入れようとカップにコーヒーを注いだタイミングでのバイブ音。