Lingerie~after story~
ここまで来たら最早真面目な心持に立て直す事も難しいのではないだろうか?
私にしても姉やお爺様にしてもだ、完全に砕けすぎて緊張感など最初の一文字分もないだろう。
姉はあからさまにシラーっとした目を向けているし、お爺様に至ってはヤレヤレと言いたげに目を伏せお茶を飲み始めている始末。
コレ、どう収拾つくの?とさすがに浮れきっていた自分に冷静が舞い戻ったタイミングだ。
『寧々さん、スピーカーに切り替えてよ』
「えっ?」
『スピーカー』
「あ、はいっ!」
ようやく笑い収めたらしい彼からの要求。
それには少々意表を突かれて驚愕しつつ、言われたままにスピーカーボタンを押して携帯を畳みの上に置いた。
さすがに緊張する一瞬だ。
姉や祖父に対しても何を聞かせようとしてのこの要求であったのか。
場面としてはだいぶグダグダになってはいるけれど、問題点は何一つ改善はされていないのだ。
下手な事を言えばあっさりと九条くんの立場は危うい状況になる筈。
今更ながらそんな緊張感に苛まれるも、
「九条くん、…いいよ?」
『………こんな顔も見えない場で失礼だとは思いますが。どうも、初めまして。寧々さんとお付き合いさせていただいてる九条爽と言います』
響いたのは、いたってまともな挨拶の響き。