Lingerie~after story~




イズミと言わずともこんな風に人肌を感じるのが初めてと言っていい筈。

柔らかくもしっかり抱きしめられた事態にさすがに困惑していると、優しく頭を撫でながら静かに吹き込まれる言葉の響き。

「……恐がって当然よ」

「えっ……」

「恐がって拒絶した自分を咎めちゃダメよって言ってるの」

「っ……」

「あんたは不器用だから、九条が出て行ったのは自分が拒んだせいだって馬鹿な考え起こしそうだから」

「違う…の?」

「もう~~、コレだからあんたはっ!……本当……どうして九条なんて厄介な相手を選ぶのよ」

「イズ…ミ?」

「…………あんたを理解してもっと上手に甘やかしてくれる男は他にもいるってのに」

本当……そうね。

きっと他を探せばいっぱいいるのかもしれない。

私だって何で九条くんなんだろうって思わなくないんだ。

だって、九条くんは本当に掴みどころが無くて、横暴で。

私だって好きな相手には甘やかしてほしいし安堵させてほしい。

それなのに九条くんは恐がらせて、震えさせて、泣かせにきて。

不安さえも私に躊躇いなく与えてくる。

恐くて、もどかしくて、心に平穏どころか搔き乱しに来て。

やめればいいのに。

元々不毛すぎるややこしい関係から始まったんだ。

手放して……悩ましい思考の問題の種を元から排除してしまえば……、

「可哀想に。九条なんてやめたらいいのに」

「っ……」

ああ、本当に………

馬鹿で愚かで……手遅れ。


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