Lingerie~after story~
パタリと閉った扉の音に張りつめていた糸がプツリと切れたような感覚に陥る。
見放された?
そんな思考で力なくベッドの上で座り込んで放心していれば、静かな空間に玄関扉の開閉音まで聞こえて追い打ち。
帰……った……。
本当に……。
「まったく、あいつは本当にどうしようもない奴ねえ」
言いようのない虚無感に満ちている中でイズミだけがいつもの調子で彼の行動を非難してくれる。
入り込んだそんな声音や存在のおかげでなんとかリアルにつなぎとめられているような自分があって、更に私の正気を保たんと、スッと伸びてきた指先が私の乱れきった状態を直そうと下着に伸びて優しく触れる。
ああ、温かいし、どこまでも優しいなとイズミの熱に安堵が回帰し始める中、
「もう、あいつには一度複雑な乙女心教え込んでやらないと、」
「………絶対に馬の耳に念仏」
「まあ、乙女心なんて知ってるあいつは確かに不気味ね。そのくせして作るランジェリーはこーんなに乙女の心つかむようなデザインとか許せないわあ」
「本当……よね」
イズミの詰りに弱々しく回帰した余裕を素に力なく口の端を上げてみせたのに不完全。
同時に片目からほろりと流れ落ちた涙がそのまま胸元に落ちて、それと同時に…。
「っ……イ……ズミ?」
さすがに……体全体でイズミの人肌を感じたのは初めての瞬間だった。