Lingerie~after story~




Side九条


彼女を放置して帰宅してあれから数日か。

こちらから連絡を入れるでもなく、あちらから入るでもない。

あの日からプライベートで彼女と対峙する時間も設けておらず、帰宅するのはもっぱら自分のマンションに限る。

それでも焦る心はなく普通に当たり前の日常を繰り返し仕事に勤しんでいた日常。

初日にはさすがにグダグダと非難的な言葉を鬱陶しいオネエ口調で投げつけてきていたイズミもさすがに今は何も言ってこない。

まあ言ってきても仕事に集中してしまえば右から左でまともに余計な言葉が入り込む俺でもないけれど。

それでも避けられぬ仕事上の時間というモノはあって、今も、

「失礼します。九条さん、この前のポスター案の件で確認を、」

そんな凛とした声を響かせ綺麗な姿勢で歩み寄ってきた彼女の姿は相変わらずだ。

無表情で孤立感。

愛想もなくて弾く言葉は業務的。

余計な会話を挟むでもなく淡々と確認事項だけ口にして、仕事としての用事が済めば綺麗な角度で頭を下げて去っていくのだ。

彼女らしいと言えば彼女らしい。

本当に根本から俺達の間に何事もなかったかのように合わせる顔には微塵も哀愁の様なモノを見せてこない。


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