愛人契約
「今は、日満理だけだよ。」

そんな嘘ばっかり……

私は、その場に崩れ落ちた。


「お願いだから、どこかへ行って!」

「嫌だ。」

本田さんは崩れ落ちた私を、抱え込むように抱いてくれた。

「今離れれば、日満理は二度と、戻って来なくなる。」

そんな本当の事、耳元で言わないで。

私は泣くのを、必死に堪えた。

「でも、駄目なの……」

「どうして?」

「あなたは、母を……私達から奪った……」


そう言った次の瞬間だった。

本田さんが、私の目の前で、土下座をした。

「ほ、本田さん。」

「すまなかった。こんな事して、許される訳じゃないって、分かっている。」

びっくりしすぎて、私の涙も引いてしまった。
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