愛人契約
「俺も若かった。あの人の包容力に自分が包まれているような気がして……それが結果的に、君達の家族を崩壊させる事になってしまった。謝っても、謝りきれない。」

私は、本田さんに手を伸ばした。

「どうか、顔を上げて下さい。」

あんなに自信家で、紳士的な本田さんに、こんな事をさせて。

胸が痛くなってくる。

「その代り、約束する。君を幸せにするって。」


どうしよう。

涙が出そうになる。


「月並みの言い方しかできないが、今は君しかいないんだ。信じてくれ。」

これは真実だって、受け止めていいのかな。

「本田さん……」

その時だった。

私のスマートフォンに、着信があった。

見ると、知らない番号だ。

< 120 / 123 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop