愛人契約
「分かりました。ところで、私は今日、どういう立場でいればいいですか?」

「立場?」

「彼女とか。それとも同じ会社の秘書と言う事にしておきますか?」

「そうだな。秘書だと会社の事を聞かれるかもしれない。恋人と言う事にしておこう。」

「はい。」

自分で言っておきながら、今だけ彼女と言う立場に、心が躍る。


私はちらっと、本田さんの方を見た。

無表情で、外を見ている。

ホテルで会った時とは、全く違う人だ。


「弟さんは、どうなった?」

「えっ?」

急に弟の事を聞かれ、ハッとした。

「脳に腫瘍があると言っていたけれど、手術はしたのか?」

「はい。お陰様で無事成功しました。」

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