愛人契約
「行く事はない。俺が払うお金で、生活していけるだろう。」

なんだか怖くなって。勇介さんから顔を反らした。

「どうした?」

「……勇介さん、変よ。」

「俺が変?」

私は、ベッドから起き上がった。


「確かに、私はここに住まわせて貰って、お金も貰って……でも、愛人契約が終わったら?」

勇介さんは、急に顔を押さえた。

「……すまない。そこまで考えていなかった。」

胸が痛い。

ずっとこの生活が続くものだと、私は思いたかった。

「そうだな。君には君の生活がある。いいよ、仕事に行って。」

私はゆっくりと、バスタオルを体に巻いて、シャワー室に戻った。


本当は……

- 契約が終わっても、ここにいてほしい -


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