イケメン部 〜第3巻〜
「兄さんらしい…」
「…ん?」
「…あ、いや、なんでも……」
御影の発言にボソリと一樹が呟いた。
だがその声は皆には聞こえていなかったようで。
「でもさ、佐々木先輩、この前お前から海空を略奪しに来たよな。…自分で託しといて」
「……あぁ」
頭の後ろで腕を組みながら西条が言う。
西条が言っているのは恐らく屋上で御影と佐々木が澪和を取り合った時の事だろう。
「人に託しておきながらやっぱり返せって…?理不尽すぎねぇ?」
柄にもなく御影のことを庇っているようだ。
「…まぁ、どちらにせよ婚約は絶対だからね。……残念だけど、この子を手に入れるのは兄さんだ」
「……っ!!」
