血まみれ椿姫
屋上
3年生の教室を出た俺は、自然と屋上へと向かっていた。


3人は確かにタバコ仲間だったかもしれないけれど、それだけで殺される理由につながるとは思えない。


陰でタバコを吸っている学生なんて、数えればきっと星の数ほどいるだろう。


その全員がチェンソー自殺なんてしていたらとんでもない事になる。


屋上へと続く重たいドアを開けると、風が吹き込んできた。


建物の中にいたらわからないけれど、強い風が吹いていたみたいだ。


「雨でも降るのかな」


そう呟いた時、屋上に人影があることに気が付いた。


フェンスの前に立って景色を眺めている女子生徒。


それが誰なのか後ろ姿だけで判別がついた。


「なんでここにいるんだよ、風花」
< 121 / 228 >

この作品をシェア

pagetop