血まみれ椿姫
一瞬にして居心地の悪さを感じる。


そんな雰囲気を変えてくれたのは、時々会話をするトモキだった。


背が低く丸いメガネをかけているトモキは「おはよう」と、声をかけてきてくれた。


「あぁ、おはよう」


俺はトモキが声をかけてくれたことにホッとして、笑顔で返事をした。


「大変だったね」


「あぁ……まぁな」


俺は曖昧に頷く。


正直、事件に関してはまだリアリティがなく、俺の中では夢でも見たんじゃないかと思う時もあった。


ただ、一刻も早く現実に起こった事を受け止めて女の子の正体を突き止めたい。


その思いで無理やり現実の出来事だと、自分自身に言い聞かせているのだ。


「今日、中田君は来るのか?」


そう聞かれ、俺は城の机を見た。


置手紙に葬儀に参加するようにと書いてきたけれど、まだ登校している様子はない。


「……わからない」


俺は左右に首をふってそう答えた。
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