血まみれ椿姫
ほんの一瞬を無駄にしてもなんともないけれど、それが続けば何分、何時間と無駄に生きることになるんだ。


風花に告白するくらい、できたのに。


何度でもチャンスはあった。


毎日でも好きだと伝える事ができたはずだった。


死んでからそれに気が付くなんて……。


情けなくて涙が滲んできた。


「風花……大好きだったよ」


俺は遺影に向かって小さくそう言い、席へ戻ったのだった。
< 166 / 228 >

この作品をシェア

pagetop