血まみれ椿姫
森の半分はなくなってしまったが、まだかろうじて生息している動物がいる様子だった。


俺は先ほどまでタヌキがいた場所を通り抜け、施設の中へと入って行った。


受付で軽く挨拶をして、そのまま二階へ。


この前のようにおばあちゃんが暴れていたらどうしようかと思ったが、今日は大人しく椅子に腰をかけていた。


「おばあちゃん」


俺がそう声をかけると、おばあちゃんは本から顔を上げてほほ笑んだ。


「良真、来てくれたのかい」
< 183 / 228 >

この作品をシェア

pagetop