血まみれ椿姫
「お、おばぁちゃん、もう1つ聞きたいんだけど」


「なんだい?」


「この前友達を連れて来た時、おばあちゃんビックリしてたみたいだけど……」


そこまで言って俺は言葉を切った。


おばあちゃんの表情がみるみる内に歪んで行ったからだ。


もしかして、聞いてはいけない事だったのかもしれない。


「……よく似ていたからだよ」


「え?」


「中田さんの若いころに、そっくりだったからだ」


おばあちゃんにそう言われ、俺は写真に視線を落とした。
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