血まみれ椿姫
「な……んで……」


怒鳴りたいのに、殴りかかりたいのに、恐怖が先に立って俺は古家先輩の生首を床に落としてしまった。


ついさっき好きだと確信できた女性の頭が、ゴトリと音を立てて転がる。


「《椿森》の呪いは解き放たれた! 我は今からこの体を使い、復讐をする!!」


女の子の声に、高らかな笑い声。


トモキじゃない……!


俺はタヌキが化けていた女の子を思い出していた。


あれはきっと愛する椿の妖精の姿だったんだ。


そして、その妖精は今目の前に……。


気づいた時には遅かった。
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