蜜月同棲~24時間独占されています~
その日の部署朝礼で、私の退職が初めてさやか以外の人間にも知らされた。
微妙なざわめきの中、努めて明るく、突然になってしまったことのお詫びと残り一日を宜しくお願いしますと頭を下げる。
すっと全員に目を走らせた時、ほっとしたような綾奈の顔と、心底驚いている新田さんの表情が印象的だった。
朝礼が終わり、何人かが心配して声をかけてくれたが、円満退職だから大丈夫だとそれだけははっきりと主張しておいた。
こんな形での終わりは寂しいけれど、それでも大学を出てからこれまで勤めた会社だ。
できるだけ妙な遺恨は残したくない。
「なんかね、最近さやかちゃんと一緒によく仕事してたじゃない? もしかしてそうなのかな、って思ってたの」
「すみません。引継ぎの関係で、さやかだけは知ってたんですけど」
「寂しくなるわー」
何人かは、きっと新田さんとの破談が理由だと思っているに違いない。
それも決して間違いではない。
だけど、それだけでもなくて、詳しい事情を尋ねられたら憂鬱だなと多少身構えていたのだが。
さすがに、そこは聞いてはまずいと思ってくれたのだろう。
和やかに一日は過ぎ、最後、昼休みに急いで買ってきてくれたのだろう花束をもらって、定時を迎えた。