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第三者によって評価され、自分を出して目立つ位なら、”わたしなんか”と口にしていた方がその他大勢の内の一人になれるから。

子供心にそう悟るのに、時間はかからなかった様に思う。

気付けばそんな楽な逃げ道を自ら望んで選んでいた。

だから最早、それは十七年という月日の間に染み付いてしまった癖の様なものだった。

今日初めて話しただけのわたしの為に、真剣な表情でそう説くハル先輩は、おそらくこれまでずっと”カースト上位勢”として生きてきたのだろう。

ハル先輩ともなれば、周りが勝手に崇め奉り始めるのだろうか。

こんな時、やはり日陰を好む自分とは住む世界が違う人なんだと思い知らされる。

自分に期待などしていないけど、それは誰かに蔑まれることを望んでいるわけでもない。

わたしはこれまで、ただ目立たず平穏に過ごしてきただけ。

いじめられた経験はない。

いつだってわたしはスクールカーストで言うところの、中間層。

一番無難だけど、一番地味で居ても居なくても良い様な存在。

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