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例えいじめがクラスで起きても、我関せずな態度を貫き、自分に飛び火しないようにいつだって必死になる中間層。

だけどそれが、間接的ないじめの加害者である事も自覚している。

ハル先輩と話していると、自分の嫌いな部分が浮き彫りになって行く様な気がした。

唐突に襲ってくるその気まずさから、わたしは思わずハル先輩から視線を外す。


「それにそもそもこんな時間に、女の子の一人帰らせてなんかあったら俺責任感じちゃうんだけど、?」


すると何とも絶妙なタイミングで、そう優しい声を降らすその人は、わたしの心の中が読めるのかもしれないとありもしない事を考えた。


「……っ、」


生まれてはじめて受ける所謂”女の子扱い”に何だかむず痒さを覚える。

しかもその相手が、あの”ハル先輩”ときた。

こんな事、口が裂けても人に言えない。

もしも知られてしまおうものならば、学校中の女子を敵に回す様なものだからだ。

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