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咄嗟(とっさ)に出た声を取り繕う事も出来ずにいるわたしの反応を楽しんでいるのか、ハル先輩はさらなる爆弾を投下した。


「そのライブ一緒に行かない?」

「——わたしと、ですか……?」

「そ。だから君の名前と連絡先が知りたいな」


そして今度はひどく大人びて見える表情に変わる。

その子供とも大人とも言えない表情が何だかとても魅力的に映る。

その声で問われると、何でも答えたくなるのだから不思議だ。

なんて耳心地の良い声なんだろう。

結局、ハル先輩の提案を断ることなどできるはずも無く、わたしは口を開いた。


「……えっと、二年の三浦志紀(みうら しき)です。連絡先は……、あ!これでいいですか?」


と、やっとの思いで携帯の画面にQRコードを表示させる。

”ありがとう”と言いながら、その上に自分の携帯を(かざ)したハル先輩の画面にやけに見覚えのあるアカウントが表示される。

ハル先輩によって追加されたそのアカウントが自分のものであると言う事に、正直全く実感が湧かない。

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