俺様社長ときゅん甘同居
そうして連れてかれた玄関には、昨日私が履いてきた靴が無く、代わりにこの今着ている春色ワンピースに合うピンクベージュのストラップ付きエナメルのヒールがあった。

「靴まで買ってたの!?」

思わず、叫ぶように言うと

「そのワンピースに黒のローパンプスは似合わないだろ?これなら足元からも綺麗だし、可愛いだろうと思ってな」

どうやら、何故か好みまで把握している拓さんは私の好きな甘めのコーディネートで連れ歩きたいらしい。

「ほれ、これもだ。うん、似合う似合う!可愛いな、俺これハマりそうだな」

と呟きながら渡されたのは、お手頃とはいえOLが買うには悩む価格帯のブランドの、小ぶりの2wayハンドバック。
斜めがけの紐付き、持ってきた財布とスマホに化粧直し用のミニポーチとハンカチ等を入れた。
ちょっとのお出かけに丁度いいサイズだ。
これも靴に合うようなパステルピンクのバック。
リボンとパールのチャームまでついてて可愛い。

「ん、可愛いな。よし、出掛けるぞ」

そうして靴を履き玄関を出ると拓さんはもう手を繋いで離さないまま施錠してエレベーターへ向かって歩く。

「今日はどこに行くの?」

「さて、どこでしょう?」

そう言いながらエレベーターで地下駐車場へ。
車に乗りこみ、今日もいいお天気の中ドライブが始まった。
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