お前の可愛さ独占したい
ローファーお履き、外を見ると土砂降りの雨。何で……
ここから、家遠いいのに……。
多分、電車で1時間~2時間。
「雨、すごいな」
「だね」
シーンとなる、私達。
たとえ、何か話しても雨の音で消えそうな。
かすれて聞こえてくる声。
「香奈ちゃんの家遠いいんでしょ?」
「うん……」
そういえば、傘すら持っていない。
何をやってるのか自分でもわからない。
「俺んち……近いからくる?」
えっ、優愛の家……。
確に、今から帰っても傘のない私はきっと熱を出すだろうな。
「じゃーお願いしてもいいかな」
「もちろん!」
***
優愛の家は歩いて15分くらいでついた。