極上の愛をキミへ
「話は、料理を食べながらでもいいだろ?せっかくの料理が台無しになる」


あたしは電話の相手の言葉に従い、料理に手をつけた。

この人は宮園グループのトップで、あたしの父親だ。

両親が離婚しているため、あたしとお父さんの姓は違う。

だから、あたしとお父さんの関係を知る者はごく僅か。

そして父親と一緒にこの場にいる、もう1人の男はあたしの双子の男で、宮園グループの取締役の1人でもある、宮園悠麻(ゆま)


「今回の件だが、急過ぎる話だな」


視線を料理に向けたまま、悠麻が口を開く。


「任せていた子が、日時を間違えたみたいで」

「場所も押さえられないなんて、ロクな人材がいないんだな」


悠麻の言葉に、何も言い返せない。

< 146 / 285 >

この作品をシェア

pagetop