極上の愛をキミへ
「言わないんですか?きっとアイツなら・・・」

「相手が誰かわかったような言い方するんですね?」

「あ、すいません」


川口は、軽く頭を下げる。


「いえ。一応聞いても良いですか?川口さんの予想」

「晃生ですよね?相手」


なんで、わかったのだろう。

全く見当は付かないが、そんなのはどうでも良い。

とりあえず、口留めはしておこう。


「言わないでください。朝比奈には」

「どうして。アイツは、無責任な男じゃないですよ?」

「わかってます。だから、尚更言いたくないんです」


朝比奈が好きだから、同情とかで一緒に居たくなんかない。


「妊娠がわかる前に、あたしと朝比奈は終わったんです。正確には、始まってもなかったですけど」


自分の気持ちに気付くのが、遅すぎたんだ。

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