極上の愛をキミへ
将生たちのことを見送り、支払いを済ませる。

そして店を出ようとした時、声を掛けられた。


「あの」


振り返ると、そこに川口が居た。


「何か?」

「俺。大学の時、吏斗の友達でした」

「・・・はぁ」


突然のことに、相手が何を言いたいのかわからない。


「俺たち、前にも会ってるよね?」


前?

よくわからず、首を傾げる。


「吏斗の、葬儀の時」


そう言えば、会ったような・・・

でも昔のこと過ぎて、よく覚えていない。


「それが、何か?」

「いや、それはどうでも良いんだけど・・・その、妊娠してるんですか?さっき、聞こえてきて」


川口の質問に、曖昧な返事をする。

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