極上の愛をキミへ
まさか、大学の同級生に会うとは思わなかった。

同級生と言っても、桜川さんのことをよく知らないが・・・

話したことだって、数える程度だし。

むしろ、あたしのことを覚えてる桜川さんが不思議で仕方ない。


「高梨。朝比奈専務のお客様が、下でお待ちだって」


自分の課に戻って来たあたしに、相澤が言う。


「ありがとう。今向かう」


あたしは息つく間もなく、再び受付へと向かった。

受付の前で、何やら話をしている男女。

その2人を見て、あたしの歩みは自然と止まる。

なんで?

出来ることなら一生会いたくなかった人が、今、再びあたしの目の前に現れた。

ドクン・ドクンッと、鼓動が異様な音を上げる。

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