あ、あ、あ愛してる「君に伝えたい思いをこめて」
久々の街頭演奏はインディーズ時代さらに拓斗たちと組む前のことを思い出させ、俺の胸はじんわりと熱くなった。

俺のヴァイオリンに合わせて、歌い出す聞き手の声が1人また1人と重なっていく。

歌っていいんだ、俺はまだLIBERTEで歌っていいんだよな? と、しだいに大きくなっていく人の輪に、胸の内で問いかける。

ヴァイオリンを奏でる指が震えた。

歌うことを初めて恐いと感じた。

ヴァイオリンを下ろし、ケースに入れ背中に担いでいたギターを急いで取り出す。

花音が無言でスッと手を出しヴァイオリンを受け取ってくれた。

花音に目で合図し、歌声に合わせて「カナリア」を歌い始める。

「和音!?」

「和音はあんなにダサくないわよ?」

「この歌声……」
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