月が綺麗ですね
何度されてもドキンとしてしまう。

温かい手のひらの感触がとても気持ちいい。


「じゃあコンビニでお弁当を買って、私の家で食べますか?それとも何か出前を取ってもいいし」

「いや...」


しばらく走ると、車は街道沿いで存在感を示す明かりを灯したコンビニ駐車場へと入る。

あれ?やっぱりお弁当買うのかな?


「風花はここにいろ」


短い言葉を残して徹さんはエンジンを掛けたまま車を降りると、急ぎ足で店内へと姿を消した。

桜の季節が近いとは言え、夜はまだ冷える。私の体調を気づかってどうやらアイドリングしたまま出て行ったみたいだった。
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