月が綺麗ですね
”カナ”が元カノのほうがまだ良かった。それは過去だから。
妹でも良かった。それなら堂々と私と徹さんがつき合うことができる。

でも、どちらでもなかった。


一番残酷で最悪な事実が私に突きつけられた。


それは.....今カノ。


あの晩彼がつぶやいた言葉。


『ありがとう...カナ』



うたた寝する徹さんに布団を掛けられる関係。

そして自然に『ありがとう』と言える関係。



私を自宅へ呼ばない理由も分かった。


二人は同棲している。


すべてつじつまがあう。



いがちゃんは徹さんが私と遊んでいることを知って、あえて私をライバルだって言ったのか...。


気の強い、いがちゃんなら納得だ。そこであえて『私が彼女』と言わないところがいがちゃんらしい。

私が踊っているさまを見て、笑って楽しんでいたのかも知れない。

でもさすがに徹さんが私に指輪をくれて、それで黙っていられなくなったんだ。


だけど、ライバルなんかじゃないよ。いがちゃんが本命で私が遊びなんだから。だって新ブランドの立ち上げのことだって、他にも私の知らない徹さんのことをいっぱい知っているのはいがちゃん、あなたのほうなのだから。
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