シンさんは愛妻家
「わ、笑い事ですか?それって…」

ぎゅっと抱きしめられたまま、
情けない顔をしているのが可愛らしくて、
頬に唇を付けると

「いやあ、見えるところにつけないでえ」

と真っ赤になって身をよじっている。

「いくら僕でも頬っぺたにつけるほど、馬鹿じゃない」

とくすんと笑うと、

ほっとしたように体の力を抜いて僕の瞳を睨みつけ、

「先生ってイジワルですね」

とプイと顔を背ける。


「そおかな?普通だと思うけど」

と頭に唇をつけると、

「シャワー浴びてきます!」

とヨロヨロしながら歩いている。

うん。

ちょっと手加減は難しかった。
ごめん

と口元がほころんでしまうけど、


バスルームの中から、

「いやー!なんでこんなについてるのー?!」

と言う叫びをきく。



…だから、ごめんって。

沢山キスマークをつけておいた。って言っただろ。

と心の中で謝ってクスクスわらった。
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