シンさんは愛妻家
不機嫌なイブキも、

美味しいオムライスですぐにもとどおり。

「卵がとろふわで、美味しいです!」

とにこにことスプーンを口に運んでいる。

「そ。よかった」

と僕は機嫌の直ったイブキの顔を眺めて、少し安心する。

「イブキ、君は…これからどうしたい?
僕は…自分の意見を押し付けて、自分が安心できるようにってそう思って…
君の意見をちっとも聞いてなかったなって思って…
…今までの僕は…君に手を出す事がないようにって…
出来るだけ早く出て行かせようと思ってたんだけど…
…もう、関係なそうだしねえ…」

と僕はため息をついてイブキの顔を見る。


「…い、…今までどうりの計画で良いです。
医療事務の資格を取って、正職員で働いて、タビィと暮らせるようになりたい
私が先生にお願いして…
恋人っていう関係になったので…
私、早く先生の負担にならないようになりたいです。」

「…もう、ちっとも負担じゃないよ。
自分の理性が持つか心配でだっただけだし…
好きなだけ抱いても良いでしょ。
『恋人』だしね。
随分とオジサンだけど…」

「先生はちっともオジサンじゃ、ありません!
先生がコンビニにコーヒーを買いに来るようになって…
ステキな人だなって
店員の私が『ありがとうございました』って言ったら、
先生も『ありがとう』って笑顔で言ってくれたんです。
コンビニ店員なんて透明人間みたいに無視されることも多いから…
挨拶なんて…返してくれる人ってあまりいなくって
嬉しいなって…すごくステキな人だなって
…すぐにそう思ったんです」


「そお?意識してなかったけど…」

「そういう事が自然に出来る人ってステキです!」

あ、そー。

そんな感じ?

普通のことなんだけど…
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