シンさんは愛妻家
「えー?」

「でも、ありがとうございます。
凄く嬉しいです。
こんな風にまた、お祝いしてもらえるんですよね」

「…まあね。」

と、勘違いした僕は少し機嫌が悪い。

「あっ、私が好きなものばっかり」

「今日は彩りとか考えずに、イブキの好きなものをって…思って」

「シンさん、本当に、本当に嬉しいです」

と少しイブキは涙目だ。

いや…

失敗したサプライズだけど…

「…ケーキもあるんだ」

「うわぁ、楽しみです!」

と僕に抱きついて、頬にキスをくれる。

…うーむ。

…かなりカッコ悪い

でも、イブキの笑顔は嬉しいかな

と思いながら、

僕は冷やしておいたシャンパンを冷蔵庫から取り出して、

「ルミ子さん、お誕生日おめでとう」

とイブキとグラスを合わせて、
ルミ子さんの誕生日をお祝いした。


ちなみに、

イブキの誕生日は12月の終わり。
僕は1月の初めの生まれだ。

イブキは24歳。
僕は43歳。
(どちらも誰とも誕生日を祝わなかった。
来年は、一緒にお祝いしようと話した)


僕は2カ月遅れの誕生日プレゼントに
金色のシンプルなイヤーカフを贈った。
耳のつけると、バツの印に見えるヤツ。
消えないキスマークのつもりだ。

イブキは嬉しそうに僕の金色のキスマークを耳に付けている。

僕は機嫌を直して、イブキをベッドに運んだ。



あいかわらずの19歳差。

この違いは一生同じだ。
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