シンさんは愛妻家
この子は一体何しに来たんだ?
と可笑しくなってクスクス笑うと、

「すみません!お邪魔しました」と赤くなってピョコンと立ち上がる。

「良いよ。君も休憩なんでしょう。少し落ち着いて座りなさい。
それって君のお昼ご飯?」

と彼女が持っていたコンビニの袋を指差すと、

「…はい。食堂で食べようかなって思って…」

と少し恥ずかしそうにカップ麺の入った袋を握りしめて俯いた。

なるほど。

「そこに座りなさい。一緒に食べよう。
そんな物だけじゃ、ちっとも栄養が足りない。
僕のを半分分けてあげるよ。」

と僕があきれた声を出して、弁当を広げると、

驚いた顔を見せた後で、お弁当に釘付けになっている。

「座って。あ、その前にお湯を入れたら…」

「…一緒に…食べて良いんですか?」

「良いよ。僕もひとりで食べるより、君がいた方が退屈しなくていい」

と言うと、はい。と嬉しそうに笑ってコンビニの袋を開けた。




< 8 / 85 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop