真心の愛を君に......。 〜 運命の恋は結婚相談所で ~
「”そう”って?」

私は、わざとらしいくらいの上目づかいをして、上唇を尖らせた可愛子ぶった顔で彼に聞いた。

女だって、”そう”だ。

好きな男(ひと)の前では、あざといくらい女の部分を見せたくなる。

「こういうことだよ」

広務さんは蠱惑的な愛らしさを振りまきたい私を瞳に揺らめかせると、少し低めのクールな声音で囁き、私を左腕に抱き寄せて髪を一撫でして、その延長線上に指先を私の頬まで滑らせ、ゆっくりと唇を近づけて柔らかいキスをした。

「んっ......」

「好きな女(ひと)には、男は皆”こういうこと”たくさん、したくなる......」

どんな女も、好きな男(ひと)の誘惑には、めっぽう弱い。

なし崩し的に抱かれたくないと理性では思っていたけれど、これからの2時間、節操を守る自信は、たった2秒のキスで崩壊した。

私は、渇望する自分の姿が映る彼の熱い瞳を切なく見つめた。

「......広務さん」

求めるように呟くと、彼は私の頬に優しく触れた。

「優花を初めて抱く時は、ベッドでって決めてるから。......今は我慢する」

欲求を微塵も感じさせない広務さんの穏やかな様子は、返って私の愛欲を駆り立てる。

私は彼を求めて鳴いている胸の鼓動を知ってもらいたくて、彼の胸元あたりのシャツを掴んで拗ねた顔を見せた。

「困らせないで......」

まるで聞き分けの無い子供が、わがままを通そうとするように。シャツを掴み誘惑する私の手に、彼は自分の大きな手をそっと重ね合わせて上からすっぽりと包み込んだ。

「今は、こうしとく」

「んー?」

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