真心の愛を君に......。 〜 運命の恋は結婚相談所で ~
「......泣いてないよ」

私は彼が私の涙に気がついてくれた事に安堵感を覚えていた。だけど、ジークとの一夜の過ちが私を広務さんのもとへ走らせるのを引き止めて、私は彼に見え透いた嘘をついてしまった。

「嘘だ。優花、泣いてるよ」

はっきりとした口調で断言した広務さんの言葉に、私は誠実な愛情を感じた。そして、彼が私を信じて愛してくれていると実感すればするほど、彼と私の距離は遠のいて行くと思った。

「寂しい」

私は罪の意識と愛情のせめぎ合いの中で、彼に紛れもない本心を明かしていた。

「ごめん。寂しい思いをさせて本当に、ごめん......」

自分に会えない事が寂しくて、私が泣いていたのだと確信した広務さんは息をひそめて、もの悲しそうな声音で謝ってくれた。

「広務さん......、広務さん......っっ」

彼の意気消沈した様子に私は胸が締め付けられながらも、彼が私に謝ってくれた理由と違う事をかかえている私は、否定も肯定もする事が出来ず、ただ彼に呼びかける事しか出来なかった。

「優花、俺も同じ気持ちだよ。心も身体も、いつも一緒に居たい。日本に帰ったら、今度こそ優花を、この腕に強く抱きしめたい」

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