年下彼氏
“彼氏”ではないから、教えるつもりなんてなかったのに。
ちらりと沢藤の顔がよぎった。
だいたい、余計なことするのはアイツだけなはず・・・。
「もし予定あるなら、少しでいいから時間欲しいんだけど」
「・・・・・。」
・・・さて、どうしよう。
亮介がどういうつもりかわからない。
プレゼント、とかなのかな。
胡散臭い大人びた笑顔の裏に何を隠してるんだろう。
「考えとくね」
「わかった。じゃあ考えといて」
いちばん無難な答えだったはず。
それに、これ以上は追及されない。
ちょうどマンションの裏手に到着、あとは帰ってしまえば話はおしまい。