君の思いに届くまで
どこをどう進んだのか、もはやわからなくなっていた。
疲れ切った体が夜風に当たって冷え切っている。
足を動かすことすらも、難しい状態だった。
暗闇の中に、虫の音が聞こえる。
辺りはそれ以外の音は全く聞こえなかった。
テントからはきっと遠い。
はぁ。
私の人生もここまでなんだろうか。
見上げると、最初から私を見ていた月が明るく静かに光っている。
私はそばにあった石の上に腰をかけた。
風呂上がりに夜道を走ったせいか濡れていた髪は冷たく頭にはりついていた。
ごわごわどころの騒ぎじゃないわ。
髪を撫でながら、思わずふっと笑いがこみ上げてくる。
こんな状況で笑えるなんて、私もおかしくなっちゃったのかもしれない。
「琉」
つぶやいてみる。
その名前を口から発した途端、このまま琉と会えなくなってしまうことへの恐怖がわき起こった。
「琉」
もう一度口に出してみる。さっきよりももう少し大きな声で。
「琉!」
次は叫んでいた。
暗い森がその名前を一瞬で吸収していく。
この場所では私はちっぽけで何の力も及ばない。
私も声も思いも、琉にはもう届かない?
そんなの嫌だ。
このままだなんて、絶対嫌。
私は腰掛けていた石から立ち上がると、重たい足を引きずりながら再び歩き出した。
「琉!」
何度も叫ぶ。
きっと琉は見つけてくれる。
何度も私達は出会ってるんだもの。
出会わなくちゃいけない相手なんだ。
大丈夫。
心細い気持ちを奮い立たせながらゆっくりと進んで行った。
疲れ切った体が夜風に当たって冷え切っている。
足を動かすことすらも、難しい状態だった。
暗闇の中に、虫の音が聞こえる。
辺りはそれ以外の音は全く聞こえなかった。
テントからはきっと遠い。
はぁ。
私の人生もここまでなんだろうか。
見上げると、最初から私を見ていた月が明るく静かに光っている。
私はそばにあった石の上に腰をかけた。
風呂上がりに夜道を走ったせいか濡れていた髪は冷たく頭にはりついていた。
ごわごわどころの騒ぎじゃないわ。
髪を撫でながら、思わずふっと笑いがこみ上げてくる。
こんな状況で笑えるなんて、私もおかしくなっちゃったのかもしれない。
「琉」
つぶやいてみる。
その名前を口から発した途端、このまま琉と会えなくなってしまうことへの恐怖がわき起こった。
「琉」
もう一度口に出してみる。さっきよりももう少し大きな声で。
「琉!」
次は叫んでいた。
暗い森がその名前を一瞬で吸収していく。
この場所では私はちっぽけで何の力も及ばない。
私も声も思いも、琉にはもう届かない?
そんなの嫌だ。
このままだなんて、絶対嫌。
私は腰掛けていた石から立ち上がると、重たい足を引きずりながら再び歩き出した。
「琉!」
何度も叫ぶ。
きっと琉は見つけてくれる。
何度も私達は出会ってるんだもの。
出会わなくちゃいけない相手なんだ。
大丈夫。
心細い気持ちを奮い立たせながらゆっくりと進んで行った。