バレンタイン・プレゼント
「そこは譲るところじゃないだろ?大体俺は、婚約者がいながら他の女と寝るような男じゃないよ。まさかおまえがそんな風に俺のことを思っていたとは・・・ショックー」

多少芝居がかかってはいたけれど、ガックリうなだれた如月さんは、確かにへこんで見えた。

「えっ!?いや、違うんですって!ホントに・・・あの、私・・今までおつき合いとかしたことなくて、ずっと如月さんに片思いしてたから・・・。だから男の人とか恋愛とか、正直言ってよく分からなくて。ただ、分かってるのは、如月さんのことが好きで好きで・・愛してしまって、愛し過ぎるの止めなきゃって・・・ご、ごめんなさい」
「じゃあキスして」

謝罪も兼ねて、ますますうなだれていた私は、如月さんの「キスして」発言に、思わず顔を上げた。

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