ぶっ壊れるほど愛してる

その後ナオとは取り留めのない話をし、また月曜会社でねと言って別れを告げた。


そう言えばナオってあたしの話ばっか聞いてくるけど彼氏とかいんのかな?
聞いたことなかったな。

今度聞いてみよ。

まあでもあんな綺麗だし性格もいいから居るか…。


とだいぶ日も陰ってきた道を帰っていった。



月曜のお昼。


いつものようにナオとご飯を食べていると。


「華、土曜日すまなかったな」


またいつもの聞きなれた声があたしの隣の席に落ちてきた。


「何の話ですか?」
あいつの顔も見ずにそう言うと。


「土曜日引っ越そうと俺から声かけたのに、出張が入ってしまってな。

華に連絡しようと思ったんだけど、俺、華の連絡先知らなかったみたいなんだよな」


あぁ、そうなんですね。

てか引越しの話本気だったんですね。

ちょっと怖いですねあなた。

てか会社で華って呼ぶのやめてもらえませんかね。

周りの目が痛いです。
特に女性社員の…。

「出張お疲れ様です」
怖い話は無視し、出張の労いだけした。


「番号」

「は?」

「俺たち付き合っているのに番号お互い知らないなんておかしいだろ?

今交換しよう」

「嫌です」

「照れるな華」

照れてねーよ、全然、これっぽっちも。


もう無理みたいな感じで思いっきり肩を揺らして笑うナオ。

ここ笑うポイントあった?

ナオおかしくない?


あたしがナオを見ているとあいつは勝手にナオに番号を聞き出そうとしていた。


「佐藤さん、華の番号教えて欲しいな?」

「いいですよ〜080…」

いやいやお前ら待てよ。
本人差し置いて何してんだよ。

まじで。

「ちょっとあんたそれプライバシーの侵害だからね。

ストーカー罪で訴えてやろうか」

「華、案ずるな
悪いようにはしない」

案ずるなとか意味わかんねーし。

さらに食いつこうと思ったが昼休憩も終わりに近く、別に番号教えたところで変な電話なんて来ないかと思いそのままナオと馬鹿野郎に勝手に番号を交換させておいた。

< 16 / 187 >

この作品をシェア

pagetop