ぶっ壊れるほど愛してる


「じゃあな華
仕事頑張れよ?」

そう言うとお花畑野郎はあたしのこめかみにキスを落とした。


「ひぃいいいぃ!!!」

「あそうだ、俺のこと蓮って呼ばないと向こうで培ったキスを華に毎日お見舞するから」

辞めろーーー!!!
てか向こうってどこだよ!

あ、海外か。
てかお見舞いの使い方間違ってるから!

「わ、わかったから早くどっかいってよ」

「名前」

「れ、蓮さん?早くどっか行ってもらえます?」

「ん。
まあ今はそれでいいや仕事頑張れよ」

そう言って毎回当たり前になったあたしとナオのトレーとお皿を持って蓮は去っていった。

いやまじほんとにセクハラで訴えようかな。

てか今のセクハラとかで収まるレベルなのかな。

こめかみをスーツで拭うとナオが堪えきれないようで爆笑しだした。


「ははは…、さすが蓮さん
やってくれるわ〜最高」

「何が最高なの、最悪だわ」

「いや、華
みんな羨ましがってみてるわよ」

確かに周りの目線が痛すぎる。

てか会社でこんなことするなんてほんとに頭おかしい!!!
無理!!!

「華…あんたに嫌がらせ無いの感謝しなさいよ」


ナオは意味深なこと呟くとさ、行くよと言って席を立ち社食を出た。


午後の仕事をしながら先程の出来事を思い出すと気持ち悪すぎて思わずパソコンのエンターキーを押す力が強くなる。


よくもあんなことしてくれたよねほんと。

もうこの会社でのあたしのオフィスラブなんてなくなったじゃん。

いや、会社の人を狙ってるわけじゃないけど…仕事しに来てるけど…。

んでもあんな目立つ奴に仮にもこめかみだけどキスとか…無理!

てかあいつに、常識とかないのほんと。


仕事が始まっても周りの目線もグサグサとあたしに刺さってくる。

いや、仕事やりづれぇですよ。

苦痛っす。
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