ぶっ壊れるほど愛してる
「何度も起こしたんだけど白目むいて寝てたから白雪姫は王子のキスで目覚めるって言うだろ?」
「誰が白雪姫じゃーーーー!!!」
朝からあたしの怒号が寝室に響き渡った。
そこから軽く身支度をし、部屋に運ばれてきた朝ご飯を食した。
こいつ毎朝こんなもん食ってんのか。
目の前に座る男を盗み見ると造作もない感じで綺麗にナイフとフォークを使いこなしている。食べ方なんてあたしより綺麗。
黙ってればほんと王子様なんだけどな。
「華、ここでなにか必要なものあるか?」
「必要なもの…ねぇ」
「料理も朝昼晩この部屋に運ばれてくるし、必要であればキッチンもあるからここで料理も作れるが。下にはレストランも入ってるからすぐ食べにも行ける」
「あぁ、じゃあ食器?」
「食器もキッチンにある」
「いや、なんかここに置いてある皿高そうだし割ったら怖いから」
「別に割っても屁でもない」
食事中に屁とか言うなよ。
「あたしもたまにはご飯とか作るからなんか慣れ親しんだ皿とか欲しくて…あたしの家から運ばれてくる食器一人暮らし用のしかないからさ」
「誰のご飯作るんだよ」
「いやそりゃあたしと蓮の分でしょ」
「そんなに早く結婚したいのか華、俺はいつでもいいぞ」