くるみさんの不運な一日
「残業……ですか?」

「あー、まあ。帰り際に色々押し付けられてな」

絶対嘘だ!って事を平気で口にしちゃう天川智明が、あたしを気遣ってるって分かる。


あたしの所為で?って思わせないようにって気を遣ってるんだって、分かるから腹が立つ。


別に気を遣ってくれなくてもいいのに。


最初からあたしの所為だなんて思ってないし。


手伝ってって言ってないから、あたしの所為なんかじゃないし。


確かに仕事は楽だったけど、それは天川智明が勝手に――。


「……珈琲でも淹れますか?」
< 142 / 247 >

この作品をシェア

pagetop