愛なき契約婚 ~その長身な遺伝子を私に下さいっ!!~


担架に乗せられ、救急車の中へと搬送される。

酸素マスクを当てられ、新鮮な空気を吸い込む。








いまいち現状が把握できずにいると、救急隊員とともに救急車へ乗り込む彼。




「真澄はっ、、妻は妊娠していますっ!!早く病院にお願いします!!!!!」


叫ぶ彼の言葉を聞いて、救急隊員は顔を合わせて焦った様子で病院へ連絡を入れすぐさま救急車を発進させる。







意識が薄れいく中、ずっと握られた手が温かい。






彼の声が心地よく耳に響く。

ボンヤリと開けた目に映ったのは、怒りを含んだ切羽詰まったような彼の顔。







それがあまりにも切なくて、見ているこちらが苦しくなる。



どうかそんか顔をしないで、、、。

最近、そんな顔しかみてない。






せめて最後くらい初めて〝ShinonOme〟の服を着て、ランウェイを歩いた時にみたいに優しく微笑んで、、、?






< 306 / 330 >

この作品をシェア

pagetop