愛なき契約婚 ~その長身な遺伝子を私に下さいっ!!~
父と姉のデザイン画も全て燃えた。
残ったのはそっとバックに忍ばせていた落書き程度の自分のデザイン画のみ。
でも1つだけ、、いや2つ。
神様はこんな自分に才能をくれた。
それは男性ファッションのデザイナーとしての才能。
専門学校に通っていた時も、全て賞を取ったのは男性ファッションのデザイン画ばかり。
生憎、着せる若いモデルが親戚に居なかったため世に出ることはなかった作品達。
だから今まで、父と姉の補佐に回っていた。
いわゆるパタンナーなどだ。
型を作り生地を裁断して、それを手縫いでデザインをカタチにしていく。
これはこれで好きだった。
ワクワクした。
小さい手は、こういう仕事には向いていて手先は器用だった。
そしてこれは学校でも家族にも一度も見せたことがなかったが、もう1つ奥の手かある。
家族を失い、自分の使命がようやく分かった。