愛なき契約婚 ~その長身な遺伝子を私に下さいっ!!~
盛大な溜息が頭上から聞こえて、それが怖くて思わず手を引き抜こうとするとぐっと掴まれた。
そして力をゆっくり抜き、優しく包み込まれた。
「かまわない。手くらいついでも握ってやる。だからもっと肩の力抜けよ。」
優しい言葉に涙が滲む。
家族が死んでも泣かなかったのに、たかが手を握ってもらっただけで涙が出そうになる。
こんな感情知らない。
もしこれを人が愛と呼ぶならば、今直ぐ引き返さなければ、、、、。
愛のない結婚を望んだのは、自分。
それに彼を巻き込んだのも、自分。
それをこんなにも後悔するなんて。
始め方をやり直せればいいのに。
そう、、、思わずにはいられなかった。